System of a Down 「BOOM!」

Systemof a Downとは、戦争といった現代における世界的問題に対して強いメッセージを送る四人組オルタナティヴ・メタルバンド。通称SOAD。
反戦を真っ向から訴えた「B.Y.O.B」は2006年にグラミー賞を受賞している。
 
これまでに5枚のアルバムを創作している彼らだが、ここでは「STEAL THIS ALBUM !」に収録された「BOOM!」について述べる。BOOM(búːm)とは英語で爆発音を意味する。
 
 
2003年、反戦ビデオ『Boom!』がSOADと映画監督マイケル・ムーア(「華氏911」他)の協力で制作された。このビデオの冒頭では「600以上の世界各都市で、1000万人が大規模な平和デモに参加した。
我々は戦争という壁を越えて平和を望んでいる」と述べられ、「BOOM!」の曲に合わせて、デモ参加者の声やブッシュ、ビン・ラディンフセイン、ブレアがミサイルに乗っているアニメーションなど風刺動画が写される。
 

デモの様子。ロサンゼルスでの3万人、パリでの40万人を筆頭に、各国のデモンストレーションが流れる

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SOADメンバーも活動に参加している

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デモンストレーションの中には、比較的少人数ではあるが東京も含まれている

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「BOOM!」について、マイケル・ムーア監督は次のように語っている。
「ウディー・ガスリーやボブ・ディランのように、システム・オブ・ア・ダウンは『ブーム』で新世紀の真の抗議の曲を創った。これはとても力強く、人を動かす力を持ったビデオになり、このビデオを見る何百万人の人たちの心に訴えかけると思う。そしてこれは彼ら視聴者が、平和を求める人間は決して少ないわけではないということを気付かせてくれるはずだ。」
 
 
肝心の曲BOOM!だが、和訳はこちらのサイトが非常に分かりやすい。

弱い文明

以下転載。
 
おまえの街を歩いてきたところだ
おまえが金を稼ぐ街
高層ビルが雄叫びをあげ
手がかりを与えられないネクタイ族が働く街
人工芝の庭を備えたそいつらの家は
恐怖を内にしまいこんでいる
テレビと傲慢な企業宣伝と
消費者中心主義の信仰で鈍感になって
歪んだ絵に囲まれていても気づかない
鏡よ鏡 素敵な暮らし目
に入る情報にはフィルターがかけられ
戦争商人の不当利益のために都合よくデザインされている
おまえの近所にもいる間抜け野郎
BOOM! BOOM! BOOM! BOOM!
空から爆弾を落とすたびおまえは
おまえの子供の中にいる神をも殺しているんだぜ
 
現代のグローバライゼーションは
轟々の非難と切っても切れない
不必要な死を商品として取り扱う
マタドール株式会社人々の視界をさえぎるマントで
人々のフラストレーションを操縦する
ゲームの名前は“同意の捏造
根本にあるのは例によって金だ
おまえは平気でいられるのか
1時間に4000人もの子供が飢え死にしていくというのに
俺たちの国は爆弾に何十億ドルもつぎ込んで
世界に死のシャワーを振りまいている!
BOOM! BOOM! BOOM! BOOM!
 
なぜ殺さなければならないんだ
同じ境遇にある人達を空から爆弾を落とすたび
おまえは おまえの子供の中にいる神をも殺しているんだぜ
 
  
 
1時間に4000人もの子供が飢え死にしていくというのに
俺たちの国は爆弾に何十億ドルもつぎ込んで
世界に死のシャワーを振りまいている!
"4000 hungry children leave as per hour from starvation ,
while billions spent on bombs, create death showers"(原文)
 
私がこの歌の強さ重さを最も感じる一文。若干19歳でこの歌詞のもつ攻撃力、破壊力に衝撃を受けた私は、このとき初めて戦争という名を借りた大量虐殺が行われている事実を知った。それまでこの平和な日本でのらりくらりと暮らしていた自身が恥ずかしくなったのをよく覚えている。
それ以来、世界から戦争の二文字をなくすには自分には何が出来るだろうかと自問しならこれまで生きてきた。当時の想いは今も変わらない。
 
まずは戦争のない世界を想像してほしい。そしてその為に自身に何が出来るか、ほんの少しでも考えてほしい。
この拙い文章を最後まで読んでくださった貴方に深く感謝する。