贈る言葉

毎年3月には、日本中でいろんな卒業式が行われる。幼稚園、小・中学校、高校、大学など。この門出に必ず使われる言葉、「おめでとう」がある。
 
卒業において使用される「おめでとう」とは、卒業までにさまざまな困難を乗り越えてきた華々しい努力を称える、という意味だと私は考えている。
卒業式のその日まで、怪我、病気、子どもながらの人間関係、保育所においては親とあまり過ごせない不安な日々。それらを乗り切り、次のステップへ進もうとするその姿には、まさに「おめでとう」の一言が相応しい。
 
この言葉に込められた意味を考えると、単なる恒例として使うのはもったいない。言葉の真意を内に秘めて発することで、はじめて相手への敬意を表現できる。
もうすぐ子どもたちが卒所式が始まる。ここから旅立っていく彼らに、私は真心を込めて「おめでとう」と伝えるつもりだ。

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追記3/22

卒所式を終えて、私がお世話になっていた児童からプレゼントをもらった。表には私の名前が書いてあった。ほんの少ししか関われなかったのに、覚えていてくれた。彼女を抱きしめながら、涙ながらに声にならない声で何度も「ありがとう」と伝えた。

卒業という別れは、卒業する人への祝福だけでなく、残る人が感謝を伝える場でもあると知った。あなたと出会えてよかった、今までお世話になりました、というお礼を告げる。それは、彼女にプレゼントをもらわなければ気付かなかったかもしれない。

また来年卒業していく子どもたちには、「おめでとう」だけでなく「今までありがとう」とも伝えていきたい。

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