TOEICスコア300から2年で770まで上げたときの話

TOEIC550がようやく突破できた、という方のブログを読んだ。550がどの程度のレベルだったかは忘れたが、私の経験が誰かの役に立つかもしれないと思い書いてみることにした。

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短大入学時に受けさせられたTOEICは300代だった。クラスで一番低かった。そこから770まで何をしたか、備忘録もかねて思いだせる限りで書いていく。
 
ポイントは次の3つ。
1.文法は高校レベルで十分
2.参考書は3冊(ぶっちゃけ1冊)で十分
3.TOEICにはコツ(独特な解き方)がある
これらをすでに知っている人、実践している人には本エントリは必要ない。
 
軽く私のことを。
私の入学した短大は「英語コミュニケーション学科」。言ってしまえば、2年間はひたすら英語に打ち込める環境だった。ただ、偏差値は46とかなり低い学校だったため、授業自体はレベルの高いものではなかった。むしろ、高校の延長線程度の内容だった。
しかし、TOEICに特化した授業に関しては、770を取るための礎になったのは間違いない。それは主にTOEIC得点取得の方法だった。活かすも殺すも自分次第ということだ。授業で出された課題をこなす程度では高得点には当然届かない。授業外でどれだけTOEICの勉強に時間をさけるかで結果は決まっていた。
実際、努力家で知られていた同じ学科の友人は、卒業までに800代をとっていた。
 
 
文法は高校レベルで十分
まず、前提として高校レベルの文法はある程度できること。「ある程度」というと曖昧だが、私の経験に置き換えると最低このレベルだ。
・中学時代は英語が得意だった
・高校ではほぼ勉強しなかった(中退している)
・予備校に通っていたが、一番下のクラス
・短大に入学したが偏差値は低い(46)
 
私はここからスタートした。中学時代の英語が活きてか、予備校での高校レベル(簡単な大学入試レベル)の文法はすんなりとのみ込めた。
TOEICを受けるにあたって、高度な文法は必要ない。英文は必ずS(主語)、V(動詞)、O(目的語)、C(補語)で形成されている。つまり、SV、SVC、SVOO、SVOCが理解できていればTOEICにおける文法は十分だ。実際に私は、予備校最低クラスと短大での高校延長線レベルの英文法しか勉強しなかった。
 
 
参考書は3冊で十分
参考書を買いすぎてどれから手を付けていいかわからない、ということが私にはあった。経験のある人もいるかもしれない。

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しかしそのほとんどが数ページで使わなくなった。途中で飽きた。いろいろな参考書を使って分かったことは、とにかく継続できる参考書と出会うこと。
英語を勉強する上でよく聞くことだが、同じテキストを数十回繰り返すことはかなりの忍耐力がいる。そのため参考書選びでは、長期間継続できる、楽しみながら勉強できるというのが大切になってくる。
 
それをふまえた上で、テキストを選ぶポイントは次の3つ。
1.英単語、イディオムが覚えられるもの
2.長文が載っていて(長文読解)リスニング用のCDが付いているもの(リスニング対策)
3.TOEIC問題集
正直これ以外は必要ない。極論を述べれば、1も2も必要ないだろう。TOEIC問題集で、必要な語彙力、長文読解、リスニングはカバーできる。
私の場合、問題集だけでは勉強が苦痛になったため、楽しみながらできるものを2冊付け足した形だ。
 

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『DUO3.0』は言わずと知れた単語帳だ。とにかく繰り返し聞き、繰り返し音読し、繰り返しシャドーイングする。ディクテーションもできればさらに効果がある。
私は何十回まわしたか覚えていないほど繰り返した。起床してから1時間ほど音読、通学中や入浴中にはリスニングなど、常に手元においてあった。
DUOには、他の単語帳と同様に、1つの単語に複数の意味が記載されている。しかしこれらをすべて覚える必要はない。代表として載せられているものだけを覚えるので十分だ。それであってこそのDUOだと思う。
 
リスニング対策に使っていた『英単語・熟語ダイアローグ1800』。英単語・熟語を覚えることよりは、楽しみながらリスニングができるから使っていた。本文は会話形式で書かれていて、音声も単調なものではなく外国人らしい(?)リアクションで面白く、聴いていて飽きない。
使い方としては、主に「英語上達完全マップ」というサイトを参考に、精読・リスニング・音読・シャドーイングなどを行っていた。しかしその方法では飽きてしまったため、かなりの試行錯誤の後、次のように決めた。
1.英文精読
  構造を完全に把握。単語の意味を確認
2.テキストを見ながらリピーティング×5
  イントネーションを完全にまねる。英文をイメージする
3.音読×15
  イントネーションを忠実に再現。文の構造、イメージが頭に入りにくい個所はペースダウン
4.リピーティング(テキストなし)×5
  文の構造、イメージを実感しつつ滑らかに
  イントネーション、単語の落ち、間合いに注意する
6.通して聞く×3
これにオーバーラッピングやたまにディクテーションも加えて、飽きがこないようにしていた。といっても、ダイアローグは10回ほどまわしてやめてしまった。
 
ここで真打登場『TOEICテスト新公式問題集Vol.4』。言うまでもなくこれも繰り返すことが大切だが、一番重要なのは本番と同じ時間内で解くこと。初めはPart7までいけないかもしれない。知らない単語はわんさかでてくるが、それでいい。その単語を覚える、間違えた文法を確認する、知らなかったイディオムを暗記する、それによってTOEICに直結する知識を手に入れられる。
時間内で解くのは、本番により近い緊張感を持たせるため。試験では当然緊張する。それによって本領発揮できないことは多い。その緊張感をより多く経験しておくこともTOEIC受験には必要なことだ。
※現在ではVol.5の最新版が出ているため、そちらの購入をおすすめする。
 
 
TOEICにはコツ(独特な解き方)がある
いろいろとあるため箇条書きで。
・分かる所から答えていく(分からないものは問答無用でとばす)
・消去法を使う
・時間は点数が確実に取得できる所で使う(得意なPartを作っておく)
・解答は芯の太い鉛筆を使う(解答欄を早くぬれる)
・Part1は一番ゆっくり音声が流れるため、ここで満点をねらう
・Part3は設問を覚えてから音声が流れるよう早め早めに読んでおく
・リーディングはPart7から解く
・Part7は1問4分以内で解く
・Part5は1問30秒で解く
・Part7には50分、5,6には20分かける
 
時間配分に関しては、何か科学的な根拠があるわけではない。そのため、このペースを基本に解いていきながら、自分なりの配分を考えるのも一つの手だと思う。
 
 
ここまで、私の経験をもとに書いてきたが、実際のところ770は決して高得点ではない。就活にあたって求められるのは(当時は)800であり、その時点で私は足切りにあっていただろう。
短大卒業後、大学の3年次編入をした私の周りには、800超えの学生はいくらでもいた。中には990(満点)近くとったにも関わらず、満点がとれなかったことに憤慨している人もいた。学生において高得点を名乗れるのは800以上の人だろう。
 
 
700代を取ったあたりから、TOEIC試験自体が楽しくなったのを覚えている。就活や昇進でTOEICが必要なのは確かだが、私としては生の英文を自分の力で読めるようになったことが一番の喜びだった。辞書を使いつつもJapan TimesやNational Geographicを読めるのは本当に楽しく、日本語訳では味わえない世界がそこにはあった。
あれから数年、英語にまったく触れない生活をしているうちに、ほとんどの英単語や文法を忘れてしまった。いまTOEICを受けても、500もいかないだろう。このエントリを書きながら、人生をより豊かにするために、もう一度英語を勉強したくなった。