同性愛反対キャンペーンと私の大切な人
同性愛に対する反対デモが、本日渋谷区駅前で行われたとの記事を読んだ。日の丸を掲げ、声高に「同性愛条例絶対反対」と主張する人々の画像を見て、一番に思い出したのが私の友人のことだった。
友人はトランスジェンダーでFTM(Female to Male)、つまり女性から男性へと性転換している。学生時代の大切な友人であり、一度は私が本気で好きになった人だ。
何の冗談だろう、私をからかって面白がろうと考えているのかと、はじめは訝しがっていた。逆にからかってやろうと、私はいろいろと質問した。
「どうして胸がないの?」
「どうしてヒゲが生えてるの?」
「皆で温泉に行ったときはどうしたの?」
どの質問にも、彼はすらすらと当たり前のように答えてくる。胸の手術の痕も見せてくれた。
そこまできて、ようやく私はその告白は事実だと理解できた。
私がそのようになれたのは、先に登場した彼の存在が非常に大きい。あの時、彼と出会っていなければ、彼の告白を聞いていなければ、今の私はどういった考えをもっていたのだろうか。それを考えると少し怖くなる。
彼と出会ってから数年後、私は彼に「(恋愛対象として)好きだ」と自身の想いを伝えた。結局は玉砕したが、彼とは今も仲の良い友人としてお付き合いしている。彼は私の人生観を変えてくれた恩人であり、今も変わらず私にとって大切な存在だ。